dtabとmineoで格安運用~母にタブレット常時接続
突然ですが、あなたのお父さま、お母さまはお元気でしょうか。
ぼくの両親は互いに歳が近く、共にもうすぐ70歳になる。
母親は普段は優しく、慎重ながら、興味があることにはチャレンジするタイプ。
約30年前、フルタイムで働きながら、自動車免許を取得。
当時、40歳を超えていた。
そんな母親と先日、久々に実家でゆっくりと話をした。
「そろそろスマホを試したくて携帯電話会社で見積を取ったんだけど、年金生活では今の通信費、月3千円でも苦しい。
でも、店の人は月8000円もするプランを勧めてきたから、怖くなって逃げて帰った」 という。
ネットで調べてみると、たしかに大手の携帯電話会社はいずれも「おすすめ」にしたがって見積をするとその程度の金額になる。
スマホ本体の分割払いが乗ってくればさらに大きい金額になるだろう。
勇気を出して逃げ出した判断は正しいよ。そして、ごめんね。いままで、その好奇心に気付いてあげられなくて。
母親に再度確認すると、「孫が観ているような、動画は要らない、テレビがあるからスマホで見なくていい」と言う。
それなら……。
さっそく準備をして両親にタブレットをプレゼントすることにした。
後日、「通信費は僕が払うから、ドンドン使ってよ」とタブレットを母親に渡すと、今まで見たことがないくらい、喜んでくれた。
正直、両親へのプレゼントなんて、40年を超える人生でもほとんど考えたことがなかった。
これからは、年老いた(とはいえ、まだ70歳前後だが)両親を守ってあげなければならない。
二人は年金生活の身。収入源が限られる。 オレオレ詐欺はもちろん心配だが、そこまでの金銭的被害、損害でなくとも、
- 水や健康食品など、不要な商品を定期契約で買ってないだろうか……
- 終身保険の払い込みが終わったのに、不要な定期(掛け捨て)保険に入ってないだろうか……
と、何かと気がかりだ。
そして、 「Youtube などの動画を観ないのに、データ量たっぷりの条件でスマホを契約してないだろうか……」
心配は尽きない。
今回、同じような状況のご両親、ご家族がおられる方の参考のため、ぼくの採った方法を紹介する。
DoCoMo の dtab に mineo なら、維持費は700円/月
母親の話を聞いた瞬間、家内が DoCoMo でスマホを更新した際に抱き合わせで契約した dtab というタブレットが自宅に転がっていることを思い出した。
さっそく、MVNO(格安通信会社、という意味は本来ないが、その理解で、ひとまずOK )大手の mineo と2枚目のSIM(通信用のチップ、サイズは標準、マイクロ、ナノの3種類、全ての携帯に入っている)の契約をした。
(ちなみに、 1枚目は息子のiPad Air2 用のナノです [ 生まれは au の VoLTE非対応 ] ) 生まれが DoCoMo のタブレット端末なので、mineo Dプラン シングルタイプ 500MB(通話機能なし、データ通信のみ、D は Docomo の頭文字)を選択した。
mineoは長期契約者に初期費用の3千円を無料にするコードを定期的に配ってくれるため、初期費用はゼロだった。
ネットで申し込むと、mineo から SIM が郵送で届き、早速、dtab 本体に挿した。 認識はするものの、SIMは挿しだだけでは動かないので、「設定」を開き、「アクセスポイントの情報( APNその他 ) 」をmineoのホームページにしたがってインプット。
リンク先:https://support.mineo.jp/manual/network_setup/d-02h.html
とはいえ、非常に簡単な作業。順に文字と数字を入れれば5分程度で終わる。
すぐに画面上端のアンテナのマークの横に「H」と表示され、電波が立った。
ちなみに、月々700円(税別)。
追加料金はかからないし、いつ辞めても違約金の類もない。
いつでも始められ、いつでも辞められる。
もはや中国製のタブレットは「安物」ではない
今回贈ったタブレットの型式名は d-02H。
2016年春モデルとして DoCoMo が dtab というブランドで発売した Huawei(華為)製8インチタブレットだ。
DoCoMo の SIM しか使えず、2年縛りの契約のあと、自宅の Wi-Fi に接続して使っていた。
今年の春、一度、街のショップで売ろうとしたものの、「 DoCoMo の SIM しか使えないから高くは買い取れない」と言われてしまい、持ち帰った代物だ。
たしかに、この d-02H の SIM フリー(どの会社の通信チップでも使用可)モデル「 Mediapad M2 8.0 SIMフリー版」 は今でも中古が3万円近くする。
一方、d-02H の中古は1万円前後。外観の状態によっては1万円を切る。 買取の提示額は数千円だったので、売値もそんなものだろう。
「 d-02H 」 で検索すると、Amazon(実際には Amazon と契約している中古品販売業者)が1万円前後で多数、紹介、販売していることがわかる。
「非常に高機能なタブレット、体感速度も速いんだけどな、もったいないな」と思いながらも、少しずつぼくのメイン機が Kindle Fire 8(こちらも、新品が約9千円のタブレットながら高性能)に代わったので、しばらくお蔵入りの状態だった。
月700円: 高速通信は 500 MB だが通信制限後も 200 kpbs で快適
mineoと契約した700円/月のデータ通信量は 500 MB。
これは、動画を長時間見れば1日で使い切ってしまう通信量だ。
この 500 MB を使い終わると、「通信制限」という状態になる。
通信業者によって違うが、多くの通信業者(大手3社の電話会社含む)は通信制限後、128 kbps (秒あたりの通信速度を表し、キロビーピーエスと読む)になる。
しかし、mineo はその点、太っ腹。少し余裕があり、 200 kbps となる。
ぼくはすでに息子のために mineo ユーザーになっていたので、契約データ量を使い終わったあとの 200 kbps の世界(使い勝手)を知っている。
(私の息子はまだ好きなものに見境がない。少々アホなところがあるので、月初めの数日で3G(3ギガ)を使い切ってしまう。土日の外出時に Youtube や動画サービスを見続けるのだ。動画さえ見なければ、3ギガはなかなか1か月で使い切れないのだが……)
この 「 200 kbps 」は、極論すれば、「高画質の動画以外なら何でも普通に」できる。
メールやゲームアプリ、ニュースサイトの閲覧はもちろん、skype や hangout といったテレビ電話、Radiko や TuneIn などのインターネットラジオも、立ち上がりが少し遅いくらいで24時間接続しっぱなしにできる。
動画を観なければ、通信量は本当にわずかしか要らない。おそらく母は 500 MB/月でも、持て余すだろう。
万が一、500 MB では足りない、ということであれば、100M単位で追加購入できるし、翌月から 容量3G (3ギガ)で契約することもできる。
この3Gも、大手3社と比べると非常に安く提供してくれており、月900円だ。 SIMロック解除、SIMフリー端末などで迷っておられる方は、とりあえず、スマホやタブレットの生まれのプランで mineo をお試しになることをおすすめしたい。
ユーザーの掲示板の皆さんも意欲的で、いろいろと魅力のある通信会社だ。
ガラケーとタブレットの二台持ち、という贅沢
結果として、ドコモのガラケーと常時接続の8インチタブの二台持ちになったので、むしろ贅沢な布陣だ。
両親は年齢が近いものの、母親の方が新しいことにチャレンジする意欲にあふれているように感じる。
いまだに、スポーツクラブに通ったり、新しいレストランに一人で行ったり。 その点、父親は不定期でまだ働いているものの、社会との接点が減っている。
スマホの件にしても、「お母さんが勉強して教えてくれるなら、自分もやってみたい」といったスタンス。 次は母親にネット通販のやり方を覚えてもらおうと考えている。
お母さんは映画が好きなので、操作に慣れるには動画がよさそうだ、と思い、dtab にAmazon Prime Video をインストール、ビデオを何本か近くのコンビニの Wi-Fi からダウンロードして渡し、実家を後にした。
年間3900円の追金で、観きれないほどの映画を楽しめる。 この程度の費用で親孝行できるなら悪くない。
もし観ないようなら、30日間のお試し期間中に辞めても良いのだ。
あるいは、もう少しお金を出しても良い、ということなら、同じく映画をダウンロードできる U-NEXT も悪くない。
Prime Video よりも邦画が充実しており、31日間の無料期間があるので、その間に続けるかどうか判断できる。
さすがにお母さん一人ではできないので、次回、実家に帰ったら、インストールしてあげるつもりだ。
あとで聞いたところでは、半沢直樹のドラマのファンということもあり、「鍵泥棒のメソッド」が Amazon Prime Video では一番楽めたそうだ。
ぼくも好きなこの映画、U-NEXT でも無料視聴の対象だ。
amazonプライムも U-NEXT も、邦画、洋画にかかわらず、この種の名作映画が山ほどあって、無料と表示される映画なら追加料金も無し。
一生かけても観きれないだろう。 しばらく、使い続けてみたいとも言ってくれていた。
ビデオを一人で観られるようになれば、インターネットブラウジングなども徐々にできるようになるだろう。
あるいは、Googleの音声認識などは、先入観がない分、ぼくよりも早く慣れるかもしれない。
小学生の息子の可能性に加えて、お母さんの可能性にも賭けてみたくなった。
世の中には、77歳からスクールに通い、ついにプロのクラブDJになられた方もおられる。
ぼくたちも、いろいろと新しいことに挑戦していきたいものだ。
オリジナルサイト より転載: